内閣府の生命倫理専門調査会は24日、ヒトのiPS細胞など幹細胞からつくった卵子や精子から受精卵(胚(はい))をつくる基礎研究を認める報告書を大筋でとりまとめた。国の指針で禁じられていたが、研究目的に限り容認する。文部科学省などが今後、関連する指針の改正に向けた検討を進める。
受精卵からつくるES細胞(胚性幹細胞)や、血液などの細胞からつくるiPS細胞(人工多能性幹細胞)は、無限に増え、様々な細胞に変化できる能力を持っており、世界ではこれらの幹細胞から精子や卵子をつくる研究が進められている。
日本では2010年の国の指針が、ヒトの幹細胞から精子や卵子をつくる研究は認めているが、受精は認めていない。
調査会がまとめた報告書は、幹細胞でつくった卵子や精子を受精させる研究について、受精直後に胚で起きていることの解明に有用で、遺伝性疾患や不妊治療の開発などにつながる期待があるとして容認。ただ、胚を子宮に移せば、「『人』として誕生し得る存在」となることから、培養期間は14日まで、子宮への移植は禁止した。目的も生殖補助医療や、遺伝性疾患の解明など一部の基礎研究に限る。
マウスを使った研究では、精…