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 家族性アルツハイマー病患者の治療にパーキンソン病の治療薬が効くことを確認した京都、三重両大学の共同研究チームの研究成果を受け、薬を製造する東和薬品(本社・大阪府門真市)は3日、国への承認申請に向け、より多くの患者で効果を確認するための治験を始めたと発表した。この薬はiPS細胞を使って見いだされた。早ければ3、4年後の承認申請を目指す。

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治験開始を発表する、東和薬品の吉田逸郎社長(中央)と京都、三重の両大学の共同研究チーム=2025年6月3日、京都市の京都大学iPS細胞研究所、坪谷英紀撮影

 家族性アルツハイマー病は、遺伝的な要因によって発症するアルツハイマー型認知症。一般的なアルツハイマー病とは異なり、家族内で複数人が30~50代と若くして発症するケースが多い。

 研究チームは、家族性アルツハイマー病患者の血液からiPS細胞をつくり、大脳皮質神経細胞に分化させ、効果がありそうな薬を探した。その結果、パーキンソン病の治療薬「ブロモクリプチン」が効くことを確認した。5人の患者が服用したところ、服用していない人に比べて記憶力の低下や不安感、異常行動などを抑える傾向があることを確認。副作用もみられなかったという。

 家族性アルツハイマー病の原…

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