過激派組織「イスラム国」(IS)が衰退した後のイラクで、隣国のイランが存在感を増している。政界では国内の駐留米軍への撤退論が強まり、11月の米大統領選で米軍駐留に懐疑的なトランプ前大統領が当選すれば、撤退に向けた動きが加速する可能性もある。
- 「イスラム国」終幕の地に漂った二つの香り 過激思想は消えたのか
6月下旬、イラク北部モスル。白いあごひげの男2人の肖像を描いた看板が、幹線道路沿いに何十枚も掲げられていた。
1人は、国内軍事組織「人民動員隊(PMF)」の副司令官。もう1人は、イランの革命防衛隊のソレイマニ司令官だ。2020年1月3日、2人はイラクで米軍の無人機(ドローン)に殺害された。攻撃を命じたのは、当時のトランプ米大統領だ。
親イラン政党「国民から米軍撤退求める本気の声」
イラクではイスラム教シーア…