サッカースタジアム改修で撤去された旧座席に脚を取り付け、新たな椅子に生まれ変わらせて返礼品に――。サッカーJ3・松本山雅がこんなクラウドファンディング(CF)に取り組んでいる。
2001年に開業した松本山雅の本拠・サンプロアルウィン(長野県松本市)では、昨年後半から改修工事が進められている。スタジアムを所有する県はバックスタンドの古い座席2180席を撤去し、廃棄費用の削減やPRのために、希望者に無償であげた。そのうちの50席を松本山雅が譲り受けた。
この50席に市内の木工所が脚を取り付けて、新たな椅子に作り替えた。市内の建築事務所がデザインしたという。スタジアムでは18年11月、松本山雅がJ2で優勝し、J1への返り咲き昇格を決めた試合もあった。椅子にはスタジアムにあった時の座席番号がついたままで、松本山雅の熱戦を見守ってきたことがうかがえる。
CFは1口7万7千円で、184万円が目標。目標額に達したら、子ども用のポータブルチェアを5個購入する。寄付額がさらに増えれば、最大で11個のチェアを買う。このチェアはスタジアムの大人用座席に取り付けられ、家族一緒にサッカー観戦ができるという。
松本山雅の担当者は「『小さな子どもがいて観戦しにくい』というサポーターも、気軽にスタジアムに来られるようにしたい」と話している。
CF(https://readyfor.jp/projects/150345)は6月30日までで、目標額を達成した場合に松本山雅が支援金を受け取れる方式で実施されている。