共同で記者会見に臨んだ日本音楽著作権協会(JASRAC)の伊澤一雅理事長(右)と音楽教育を守る会の大池真人会長=2025年2月28日、東京都千代田区、赤田康和撮影

 ヤマハなどの音楽教室と日本音楽著作権協会(JASRAC)が著作権使用料について合意し、28日に両者が会見を開いた。教室での指導や練習のための演奏に著作権は及ぶのか。8年にわたる対立劇は、いわば「痛み分け」で終わったが、著作権制度が抱える課題も浮き彫りにした。

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 JASRACが音楽教室での生徒や講師の演奏について著作権使用料を徴収する方針を打ち出したのは2017年2月。

 ヤマハなどの教室側はただちに「音楽教育を守る会」を結成。約56万人の反対署名を集め、法廷闘争に持ち込んだ。

 ただ、JASRACの幹部たちは強い自信を持っていた。著作権法22条が定める「演奏権」は、商業目的での演奏には適用されるというのが彼らの主張で、営利目的で運営される音楽教室もそこに含まれると考えていた。

 一方、教室側は、教室での演奏の目的は、技術の伝達や習得で、コンサートの演奏とは異なる、と主張した。

 著作権法22条は演奏権を「公衆に直接聞かせることを目的に演奏する権利」と定めているが、教室の生徒は、数人から10人程度で、「特定の少数であり、公衆ではない」とも訴えた。

 最高裁までもつれ込んだ訴訟…

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