情報漏洩の構図

 政府の途上国援助(ODA)によるフィリピンでの鉄道改修事業をめぐり、国際協力機構(JICA)の職員が、見積額や業務内容などの非公開の情報を東京都内の建設コンサルティング会社に入札前に漏らしていたことがわかった。JICAが15日、取材に明らかにした。

 事業はフィリピン政府が2019年に競争入札で発注したもので、このコンサル会社が加わる共同企業体(JV)が落札していた。JICAは就業規則に基づき今年7月、職員を停職1カ月の懲戒処分とした。

 JICAによると、情報漏洩(ろうえい)があったのはマニラ首都圏の都市鉄道「MRT3号線」の、改修事業の一部。フィリピン政府と日本政府が結んだ約381億円の円借款(有償資金協力)に伴うもので、フィリピン政府は、ODA事業の実施機関であるJICAが積算した見積額を参考に入札予定価格を設定していた。

 この見積額やフィリピン政府作成の業務計画について、JICA職員がコンサル会社側に入札前の段階でメールで複数回にわたり漏らしていたという。

 JICAや外務省によると…

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