北海道中川町のJR宗谷線・天塩中川―問寒別間で8日に起きた音威子府発稚内行き普通列車(1両編成)の脱線事故について、JR北海道は16日に開いた記者会見で、不通が続いている稚内―音威子府間の運行を早ければ26日にも再開できるよう復旧工事を進めている、と説明した。ただ、悪天候が続くと工事ができないため、再開が遅れる可能性もあるという。

 事故のきっかけとなった、線路下の「盛り土」が崩れた原因については、今春は気温が高く雪解けが例年より早く進み、雪解け水が一気に出て盛り土が緩んだ▽盛り土の下に埋められている排水管の「口(くち)」が、雪解け水で流されてきた石や木の枝、枯れ草でふさがれ、水が流れなかった▽そのため線路脇に大量の水がたまり、盛り土の緩みがさらに進んで崩壊した――という推定も公表。事故後に道内全路線を点検し、ほかに異常はなかったという。

 JR北は昨秋以降だけでも、貨物列車の脱線や保線作業での虚偽報告といった運行に関わるトラブルが相次いでいて、国土交通省北海道運輸局から3月末に行政指導にあたる「改善指示」を出されたばかりだ。綿貫泰之社長は会見で「安全の再生に向けて取り組んでいるさなかに不便をおかけしていることをおわびする」と謝罪した。

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