復旧工事が終わった粟野川橋梁の上を走る試運転列車=2025年9月5日午後1時53分、山口県下関市豊北町、白石昌幸撮影

 2023年夏の豪雨で被災し運休しているJR山陰線の人丸―滝部間(21・6キロ)の運転再開に向け、JR西日本は5日、復旧工事が完了した粟野川橋梁(きょうりょう)(下関市豊北町粟野)で試運転列車が走る様子を公開した。27日に全線の営業運転再開を目指している。

 特に被害が大きかった粟野川橋梁は大雨の影響で下流側に傾き、土台が浮き上がった。同社は当初、「26年3月中」の復旧の見通しを示していたが、橋桁の再利用が可能となるなど、工事が順調に進んだことから半年前倒しとなった。

 5日の試運転では、2両編成の列車が時速25キロほどでゆっくりと橋梁の上を走行。運転士や設備の担当者らが橋脚や線路、信号機などの状態を確認した。

 取材に応じたJR西の西田幹嗣・山口土木技術センター所長は「河川中央の橋脚が傾斜したため、作業員の安全確保などに苦労した。27日の運転再開に向け、皆様を安全にお迎えできるようJR西日本グループとして全力で取り組む」と述べた。

 山陰線は、豪雨後に長門市―小串間(50・6キロ)が運休。人丸―滝部間を除く区間は昨年6月に運転を再開していた。

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