JR九州が9日発表した2025年3月期決算は、売上高が前年比8.1%増の4543億円とコロナ禍前の19年3月期を上回って過去最高となった。営業利益は同25.2%増の589億円、純利益は同13.6%増の436億円だった。増収増益はコロナ禍からの回復で4年連続となる。
事業別では、訪日客が増えた恩恵などを受けたホテル業や、不動産賃貸業の伸びが目立った。鉄道旅客運輸収入も1512億円と、1514億円だった19年3月期とほぼ並んだ。また、日韓航路の高速船で浸水を隠蔽(いんぺい)して運航していた問題は、発覚後に運航停止が続いたことなどから利益を10億円強押し下げる要因となったという。
古宮洋二社長は記者会見で、売上高が過去最高になったことについて「景気も少しずつ良くなってきているということと、社員の頑張りを含めて、こういう結果が出た」と強調。一方で、鉄道事業については「心配していることがある」とし、九州新幹線の福岡―鹿児島中央間など、長距離の利用が十分に回復していない点を課題に挙げた。
26年3月期の業績見通しは…