8日午前6時40分ごろ、北海道中川町のJR宗谷線天塩(てしお)中川―問寒別(といかんべつ)間で、音威子府(おといねっぷ)発稚内行きの普通列車(1両編成)の運転士が走行中に縦揺れを感じ、非常停止させた。点検したところ、列車後部の車輪二つが脱線していた。乗客はおらず、運転士ら乗員2人にもけがはなかった。
JR北海道によると、直前に通過した線路の下の盛り土が約46メートルにわたって崩れ、線路が宙に浮いているところもあった。7日午後10時20分過ぎに別の列車が通過した際には異常はなかったという。
JR北は、雪解けで地盤が緩んで崩れた可能性があるとみて、詳しい原因を調べている。国の運輸安全委員会も事故調査官2人を派遣した。
影響で宗谷線は音威子府―稚内間で運休していて、復旧には1週間以上かかるという。
現場は天塩山地と天塩川に挟まれた山あいで、ヒグマが出る可能性があり、復旧工事の時間が限られるという。JR北は代行バスの手配を進めている。
JR北は昨秋以降だけでも、貨物列車の脱線や保線作業での虚偽報告といった運行に関わるトラブルが相次いでいて、国土交通省北海道運輸局から3月末に行政指導にあたる「改善指示」を出されたばかりだ。
島村昭志(しょうし)常務(鉄道事業本部長)は8日に開いた記者会見で「安全の再生に向けて取り組んでいるさなかに事故を起こしてしまい申し訳ない」と謝罪した。