同じ路線を走るライバル関係のJRとバス会社が、利用者を増やすためにタッグを組む。盛岡駅(盛岡市)と宮古駅(岩手県宮古市)を結ぶ区間で、JR東日本と岩手県北バスの共同経営が17日、国土交通省から認可された。全国で二つめの事例として、ダイヤの設定などについて両社で調整が可能になる。
JR東日本の大森健史盛岡支社長と県北自動車の鈴木拓社長が同日、共同で会見を開いた。
共同経営の認可にともない、JR山田線の乗車券や定期で、同じ区間を走る「106バス」に乗ることが可能になる。盛岡―宮古間の運賃はJRの方が220円安い。両社は4月以降、ダイヤの空白を解消したり、バスの停留所の位置を変えたり、公共交通の利便性が向上するように協議していく。共同経営の期間は5年間。
共同経営に先立ち、両社は昨年4月から、盛岡―宮古間で実証実験を実施してきた。1月31日までの実績によると、JR乗車券でバスを利用したのは1日平均約34人だった。下り(宮古行き)より上り(盛岡行き)の方が2割程度多かったという。
競合する交通事業者同士によ…