JR東海は6日、飯田線や東海道線で乗務中の男性運転士(30)が、自作の看板を運転台に掲示したり、不適切な行き先表示で運転したりしていた、と発表した。運転士はそれらの列車を知人に撮影させ、SNSに投稿していたという。同社は運転士の処分を検討する。
JR東海によると男性運転士は、当時車掌だった2021年8月21日午前、飯田線の為栗(してぐり)駅(長野県天龍村)で、普通列車の乗務員室で自分の名前が入った私物の看板を運転台から車両外に見えるように掲げ、列車の種別表示を「普通」から「試運転」に変更し、同駅ホームで待機していた知人に撮影させた。同乗していた運転士に注意されたが、乗務員室から離れなかったという。この列車に乗客はおらず、運行に影響はなかった。
また、昨年2月25日午前、東海道線の三河三谷―三河大塚間(愛知県蒲郡市)で回送列車を運転中、名前入り看板を掲げつつ、さらに列車の種別表示を「快速」に、行き先表示を「中部天竜」に変え、列車が走る様子を沿線から知人に撮影させた。
男性運転士は今年2月23日、知人が撮影した画像をX(旧ツイッター)に投稿。5月28日、不適切な画像が投稿されていると同社ウェブサイトの問い合わせ窓口に連絡があり、調査をしていた。
投稿は20人程度が閲覧できる状態で、運転士は「知人たちに喜んでほしかった」などと話しているという。
同社は「乗務員として不適切な行為であり、厳正に対処します。全乗務員に対して改めて指導を徹底し再発を防止します」としている。