JR西日本の新社長に18日付で就任した倉坂昇治氏(63)が同日、大阪市内で会見を行った。鉄道の安全構築を原点に、環境の変化を見据えながら、移動サービスとあわせた街づくりや社会課題の解決に取り組むとした。
倉坂氏は1985年に旧国有鉄道に入り、JR西の企画総務部門を長く歩んだ。広報部長やJR宝塚線(福知山線)脱線事故の被害者対応本部長を歴任し、21年6月から副社長を務めてきた。同日付で会長に就いた長谷川一明氏(68)から社長を引き継いだ。
倉坂氏は、長谷川氏が手がけた大阪や広島での再開発事業などを踏まえ、「将来の成長に向けた種をどう植えていくか。具体的な芽を作ること」を課題に挙げた。
北陸新幹線の敦賀(福井)―新大阪の延伸計画については、倉坂氏は「全線開業して大阪までつながることで最大の効果が発揮できる」との認識を示した。敦賀と大阪を結ぶ特急サンダーバードの利用者の3割ほどが京都で乗り換えていることを挙げ、「京都駅付近を通っていただくことが望ましいという考えも変わらない」と同社の従来の立場を踏襲した。
ラッピング特急「パンダくろしお」は、和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドのジャイアントパンダ4頭が28日に中国に返還された後も、運行を続ける方針を明らかにした。パンダがまだいると誤認されないように注意しつつ、パンダへの感謝を表すことを模索するという。
社員との意思疎通も積極的に…