空気を震わす音、舞台に差し込む照明、会場の熱気――。そんな音楽ライブならではの臨場感を、デジタルデータに分解して丸ごと保存する取り組みが進んでいる。その名も「ライブの真空パック」。名演奏を、色あせないまま後世に残すのが狙いだ。
東京・銀座のヤマハスタジオ。ステージ上には大型スクリーン、エレキギターやベースにつなぐアンプ、ドラムが並ぶ。あとはミュージシャンの登場を待つばかりだ。
そして、現れたのはロックバンド「LUNA SEA」の5人。実物ではなく、スクリーンに映し出された「映像」での出演だ。演奏シーンの映像が流れ出すと、同時に、演奏者のいないスタジオでもアンプやドラムが生音を鳴らし始めた。突き上げる重低音も曲調とともに切り替わる照明も、本物のライブさながらだ。
この日の「上演」は、昨年5月に東京・目黒のライブハウス「鹿鳴館」で行われたライブの再現だった。
ドラムのペダルにセンサー、機械で演奏を再現
「LUNA SEA」は19…