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Luupのポート

 ループの社長兼CEO(最高経営責任者)に就いた岡井大輝(32)が小型の交通インフラ事業を着想したとき、「他山の石」とする事例があった。

学んだ「日本流」のやり方

 一つは米ウーバー・テクノロジーズが2015年、福岡市などで始めたライドシェアの実証実験が、許可を得ずに有償で客を運ぶ「白タク」とみなされ、国土交通省に中止させられたことである。「無理やり参入するやり方はダメなんだ」と思った。

 もう一つは米セグウェイだった。茨城県つくば市で実証実験に取り組んだものの、1社単独の事業で普及しなかった。そもそも高価なうえ操縦しにくい。試乗した岡井も転倒した。当時20代の自分でさえ乗りこなせないのだから「高齢者には難しい」と思った。

ロビイスト駆使し官庁に接近

 二つの事例を通じて、「日本…

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