6年前の「M―1グランプリ」決勝は衝撃だった。激しく、勢いのある漫才で強烈な印象を与えた「トム・ブラウン」(2009年結成、ケイダッシュステージ所属)。ラストイヤーの今年、再び決勝の舞台に帰ってくる。バラエティー番組での活躍が増える中、なぜ漫才にこだわるのか。12月22日の決勝を前に、熱い思いを語った。
――6年ぶりの決勝進出を決めました。エントリーナンバー496番が呼ばれたときは、どの組よりも喜びがあふれていましたね。みちおさんは人目もはばからず、涙を流されていました。
みちお 今年がラストイヤーなので。準決勝のネタが終わって、(決勝に)行ったような手応えもあったんですけど、もう一回行く人生じゃないよなって気持ちもあって。決まったときは嗚咽(おえつ)しちゃいました。
布川ひろき 相方が号泣していたので、めちゃくちゃ冷めました。僕も泣きたかったです。でも、本当にうれしかったですね。
――6年前と現在を比べて、2人が成長した部分はありますか。
布川 一番変わったのは、外見ですかね。僕の髪が伸びたのと、相方がはげたのと、体格と。
実は、結構真面目な話で。6年前のM―1の決勝進出を機にテレビの出演が増えて、2人の体重が増えたんです。みちおはピーク時、113キロぐらいになって。「にゃんこスター」のスーパー3助さんから「ちょっとデカすぎるよ。太りすぎてネタ中に心配になっちゃう」と言われました。
動画でネタを見返したら、ちょっと見てる観客も不安になるなと思いました。僕もつっこむ感じが相当強く見えちゃうというか。
それで、2人で減量しました。僕たちはワードのセンスで勝負するよりも、目で見て楽しんでもらうネタなので。今ぐらいがちょうど見ていられるというか、そういう見た目も大事なんだなと勉強させてもらいました。
みちお M―1って、どんだけうけてても落ちる人がいるので、正解がわかんないですよね。僕たちの漫才は、ふわーっと空気が上がるような、観客がザワザワしてくれる感じというか。そういうときが、一番調子がいい気がしますね。
――今年はバラエティー番組での活躍も目立ちました。どうしてM―1にこだわっているのでしょうか。
みちお 2018年に決勝に行かせてもらってから、ありがたいことにテレビ出演が多くなって。僕は最初、「テレビ、テレビ」と前のめりになっていました。1~2年ぐらい、芯がなくなっていたんです。
そのときに布川が、「ネタを…