M&A仲介による中小企業の買収でトラブルが相次ぐ問題で、M&A仲介協会は26日、悪質な買い手企業をリスト化し、会員間で共有すると発表した。M&A仲介に携わる会員が検索できるようにし、買い手の信用調査と被害の抑制に役立てる狙い。10月1日から運用を始める。
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協会は悪質な買い手について、①経営者保証を解除しない②現金などの資産を会社から抜き取る③事業を放置したり失踪したりする――などの行為を想定している。そうした買い手の情報を会員に通報させ、協会での審査をへて「特定事業者リスト」に登録する。リストを買い手のチェックに活用はしてもらうが、登録された買い手との取引までは禁止しないという。
朝日新聞は5月以降、複数の法人グループが短期間に多くの中小企業を買収し、「一括管理」などの名目で現預金を抜き取る一方、経営者保証を解除しないなどのトラブルを起こしていることを報じてきた。
協会は会員に対し、悪質な買い手からの依頼は受けず、関与もしないよう注意を呼びかけている。(藤田知也)