2005年3月20日に発生した福岡沖地震では、玄界灘海底を走る警固(けご)断層帯が動き、最大震度6弱の揺れを引き起こした。16年4月の熊本地震でも断層が動き、2度の震度7を観測した。九州各地には、いつ活動するか分からない断層が点在する。潜むリスクに、どう備えればいいのか。
東シナ海を望む鹿児島県いちき串木野市には、市来(いちき)断層帯がある。このうち、市の東西を貫く断層は海域まで含めると長さは25キロ、最大でマグニチュード(M)7.2の地震を起こすと考えられている。ただ、データが不十分で発生確率は分かっていない。
市は市来断層を震源とする震度6強の地震を想定し、年1回の総合防災訓練を実施している。住民は逃げる経路を確認しながら避難場所に集まるほか、自動体外式除細動器(AED)の使い方を学び、火災で煙が充満した室内から逃げる訓練をする。まちづくり防災課の宮持大作課長は「断層は身近に危機があることを意識させ、警戒心を強めることにつながっている」と話す。
政府の地震調査研究推進本部…