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9日、北大西洋条約機構(NATO)の設立75周年のイベントで、バイデン米大統領(右)から大統領自由勲章を受けるNATOのストルテンベルグ事務総長=ロイター

 米ワシントンで開かれている北大西洋条約機構(NATO)首脳会議には、日本もパートナー国として招待され、岸田文雄首相が出席した。日本首相の参加は、史上初だった2022年から、3年連続。欧米の集団防衛システムであるはずのNATO首脳会議に、日本のトップが駆けつける意義やねらいはどこにあるのか。

 設立75年を迎えたNATOの歴史をさかのぼれば、第2次世界大戦後に始まった東西冷戦下において、ソ連の脅威に対抗しようと西側諸国が動いたことに源流がある。1949年の結成時に集まったのは、米英仏など12カ国。現在は32カ国にまで拡大しているが、欧米中心の組織であることに変わりはなく、日本には縁遠い存在であるはずだ。

 NATOとの関与を強める背景については、岸田首相が出発直前の10日のぶら下がり取材で、端的に語った。

 「欧州・大西洋とインド太平…

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