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ブリュッセルの北大西洋条約機構(NATO)本部で2025年9月12日、記者会見するルッテ事務総長=AP

 ポーランド軍などが同国領空を侵犯したロシアの無人機(ドローン)を撃墜した事態をめぐり、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は12日、NATOの東方防衛を強化する新たな枠組みを設けると述べた。

 ルッテ氏とグリンケウィッチNATO欧州連合軍最高司令官が会見で表明した。枠組みは北極海から黒海や地中海にわたるNATO東部全域を対象とし、英仏独やデンマークが新たに戦闘機や防空装備などを東方諸国に提供する。ドローンの侵入などに、より迅速に柔軟に対処するとしている。

 NATO加盟国のポーランドでは9日深夜から10日朝にかけて19機の領空侵犯が確認された。ポーランドに加え、オランダやイタリアの軍用機も緊急発進し、少なくとも3機を撃墜した。NATOの最高意思決定機関「北大西洋理事会」は10日、北大西洋条約4条に基づく緊急協議の要請をポーランドから受け、状況を議論していた。

 ルッテ氏は領空侵犯について「評価は継続中」としつつ「(侵犯の)意図の有無に関わらず、無謀で容認できない行為だ」と非難。「防衛態勢を強化し、柔軟性を高める必要がある」と強調した。

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