米動画配信大手Netflix(ネットフリックス)の日本法人でコンテンツ部門トップを務める坂本和隆氏が、朝日新聞など一部メディアの取材に応じ、国内の会員が1千万人を超えたことを明らかにした。そのうえで、「自国でインパクトある作品を作ることを最優先に考えている」と述べ、日本発のオリジナル作品の制作に力を入れる方針を示した。
ネトフリは2015年に日本でのサービスを始め、会員は5年後の20年に500万人に到達。その後4年で倍増しており、会員増の勢いは加速している。
成長を支えているのは国内で作るオリジナル作品で、今年は「地面師たち」や「極悪女王」が大ヒットした。坂本氏はこうした作品を出し続けることが「視聴者にとって魅力的で新鮮な出会いになる」と語った。
オリジナル作品は、映画大手東宝の「東宝スタジオ」(東京都世田谷区)やTBSホールディングスの「緑山スタジオ」(横浜市)を借りて作っているといい、そうしたスタジオを「さらに拡大していきたい」と意欲を見せた。
また、映画やドラマの制作現場は労働環境の過酷さが指摘され、政府も問題視するなか、ネトフリはこうした課題にも積極的に取り組んでいるといい、坂本氏は「安心安全な環境整備に力を入れていく」とした。具体的には、1日の撮影時間を12時間以内とすることや、週1回の撮影休止日を設ける取り組みを進めているという。
ネトフリの全世界での会員数は9月末時点で約2億8千万人にのぼる。調査会社ジェムパートナーズによると、国内の定額制動画配信市場におけるネトフリのシェアは23年で21.7%とトップだ。
坂本氏「アニメにポテンシャル」
坂本氏との主なやりとりは以…