NHK経営委員会(古賀信行委員長)は8日、2024~26年度の中期経営計画の修正を議決した。10月からインターネットの配信が放送と同様の必須業務に格上げされることに伴う対応。ネット配信のみを利用の場合は、地上波のみ見られる地上契約と同額の税込み月額1100円にする。
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経営のスリム化の一環で、検討されていたラジオの再編については、26年3月末にAM1波、FM1波にし、AMの「ラジオ第2」で放送している語学などの教育番組は、原則FMで放送する。
昨年8月にラジオ国際放送の中国語ニュースで、外部スタッフだった中国人男性が原稿にない発言をした問題を受け、中計でも国際発信のガバナンス強化などを盛り込んだ。
ラジオ国際放送は既に英語を除く16の外国語全てで生放送ではなく事前収録にしたという。25年度当初からは、ラジオ中国語ニュースではAI音声で読み上げる運用を目指し、他の言語についても検討を進める。
経営委は同日、25年度の収支予算と事業計画を議決した。事業収入は前年度比13億円増の6034億円。事業支出は同156億円減の6434億円。不足分は還元目的積立金で補う。
ネット業務の予算上限は年200億円と「インターネット活用業務実施基準」に規定されていたが、10月の改正放送法の施行によってなくなる。25年度は前年度と同規模の180億円とし、ウェブアプリの開発など一時的な経費として29億円を計上するという。
NHKの稲葉延雄会長はこの日の会見で「SNS上では、様々な情報が氾濫し、伝統メディアがその役割をどのように果たしてしていくべきか、鋭く問われている状況にある。NHKとしては、放送でもインターネットでも、確かな情報を提供したい」と述べた。