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NHK放送センター=東京都渋谷区

 NHKの稲葉延雄会長は21日の定例会見で、フジテレビの一連の問題を受けて、番組出演者と社員との不適切な会食といった組織風土がないか点検・調査するよう指示したことを明かした。「人道上の問題を惹起(じゃっき)するような慣例があれば、なくす。そういう手当てをしたい」などと述べた。

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 稲葉氏は日本銀行の元理事。1998年に発覚した旧大蔵省や日銀への接待汚職事件を挙げて、「『飲み会をやらないとコミュニケーションできない』と言って世間に笑われた。そういうことが連想で、頭をよぎった。番組制作プロセス、あるいは組織風土などを改めて点検する」などと述べた。

 フジの事案を受けて、ほかの在京キー局は社内調査などをしてきたが、NHKは定期的なアナウンス室のヒアリングや通報制度が確立していることなどを理由に改めて調査をしてこなかった。

初期のがん公表「業務は続ける」

 また、稲葉会長は自身について初期の肺がんが見つかったと会見で明らかにした。初期段階で回復が見込めることから「会長職の業務は続けていく」と語った。通院の際などに不測の事態が起きた場合は、井上樹彦副会長が業務を代行するという。

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