政府はNTT法の廃止を当面見送る方針を固めた。24日開会の通常国会に、NTTに課してきた固定電話の全国一律サービスの見直しなどを盛り込んだ同法改正案を提出する方向で調整している。2023年に持ち上がった廃止論は、政治情勢の変化も絡んで事実上収束した。
公共性の高いNTTに対し、同法では様々な制約を課している。NTTが全国どこでも固定電話を提供しなければならない責務もその一つ。改正案は、ほかに事業者がいない地域に限って義務を負う方式へ見直す方向性だ。
これまでの議論で、電気通信事業法にNTTの責務などの規律を規定し、NTT法を廃止する案もあったが、当面は維持する。
廃止論は23年夏、防衛費増額の財源探しを目的に政府が持つNTT株の売却案が自民党内で浮上したことから持ち上がった。その後防衛財源への活用論はしぼんだが、23年12月に党のプロジェクトチーム(PT)が25年の通常国会をめどに同法の廃止を求める政府への提言をまとめた。昨年4月に成立した改正法の付則にも、「廃止を含め検討」と記された。
法が成長の足かせになってい…