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日本―台湾間での「IOWN(アイオン)」の技術を用いたネットワークの開通セレモニーが、台湾とモニターでつないで開かれた。NTTの島田明社長(右端)は日本の会場から参加した=2024年8月29日午後4時42分、東京都武蔵野市、黒田健朗撮影

 NTTは29日、同社が開発を進める次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」の技術を用いたネットワークを日本―台湾間で開通させたと発表した。海外の国・地域との通信をアイオンの技術で結んだのは初めて。NTTはアイオンの海外展開の足がかりとしたい考えだ。

 東京都武蔵野市にあるNTTの研究拠点と、同社と協力関係にある台湾の通信大手・中華電信が桃園市に置くデータセンター間の約3千キロを、すべて光信号でやりとりする通信「APN(オールフォトニクス・ネットワーク)」の技術で接続した。

 電気信号に変換することなく光のまま情報を伝達するアイオンは、通信のタイムラグを従来の光通信に比べて大幅に抑えられる「低遅延」が売りだ。今回、日台間での試験の結果、1秒間に100ギガビットのデータが送れる回線速度で、遅延を片道17ミリ秒(ミリ秒は1千分の1秒)に抑えられたほか、映像や音声の乱れなどの不具合もほとんど生じなかったという。

 29日にはこの通信技術で日…

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