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米ワイオミング州ジャクソンホールの経済シンポジウムに訪れた米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長=ロイター

 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が講演で9月の利下げをほぼ明言したことで、23日のニューヨーク金融市場では株高と円高ドル安が進んだ。主要企業でつくるダウ工業株平均は462ドル値上がりして史上最高値にあと23ドルまで迫り、円相場は一時、1ドル=144円台前半と発言前より2円ほど円高に振れた。

 パウエル氏は23日、米西部ワイオミング州ジャクソンホールで講演した。FRBの役割がインフレ(物価高)の抑制から雇用の最大化に軸足を移しつつあることを強調し、「政策を調整する時がきた」と発言。9月の利下げをほぼ明言した。米国の銀行同士が短期資金をやり取りする市場でFRBが誘導目標とする政策金利は現在、5.25~5.50%と2001年以来の高水準にある。

 FRBが利下げで景気や雇用を支えるとの期待から株式が買われ、ダウは前日より462.30ドル(1.14%)高い4万1175.08ドルで取引を終えた。史上最高値を記録した7月17日以来、約1カ月ぶりに4万1千ドルを超えた。

 利下げを見込んで米長期金利が低下したことで、外国為替市場では日米の金利差縮小の思惑から円高ドル安が進んだ。米東部時間23日午後5時(日本時間24日午前6時)時点では、前日の同時刻より1円91銭と大幅な円高ドル安の1ドル=144円35~45銭で取引された。(ジャクソンホール=真海喬生)

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