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市況

 10日の米ニューヨーク株式市場で、主要企業で作るダウ工業株平均が前日終値より1014.79ドル(2.50%)下落し、3万9593.66ドルで取引を終えた。前日はトランプ米政権による相互関税の一部の一時停止で、史上最大の上げ幅を記録したが、インフレ(物価高)や景気後退への懸念は根強く、下げ幅が2100ドルを超える場面もあった。

 米大企業を幅広く網羅するS&P500指数は3.46%、ハイテク株中心のナスダック総合指数は4.31%と主要3指数がそろって反落した。ナイキ(8.29%)、半導体大手のエヌビディア(5.91%)などが大きく下落した。

 トランプ政権は9日、相互関税の一部を一時停止した一方で、中国からの輸入品に対しては125%に引き上げた。中国側も84%の追加関税を発動するとしており、米中間の関税を巡る応酬は激化している。

 さらに、10日には米CNBCなどが、ホワイトハウスが「125%」としていた中国への累計の追加関税率について、これまでに発動済みの追加関税と合わせて「145%」になると回答したと報じた。インフレや景気減速への不安が高まり、一気に下げ幅が拡大した。

 取引開始前に米労働省が発表した3月の消費者物価指数は、インフレの鈍化を示す結果だった。しかし、これまでに発動された関税政策の影響が今後出るため、鈍化は一時的との見立てもあり、懸念はぬぐえなかった。

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