28日の米ニューヨーク株式市場で、主要企業で作るダウ工業株平均が前日より700ドル超値下がりした。トランプ米大統領が次々と高関税政策を打ち出す中で、米国内のインフレ(物価高)の再燃や景気の悪化を示す指標が出たことで、警戒感が高まっている。
28日の終値は、前日より715.80ドル(1.69%)安い4万1583.90ドルだった。
28日に米商務省が発表した2月の個人消費支出(PCE)の物価指数は、エネルギーと食品を除いた項目が市場予想を上回る前月比0.4%の上昇となり、インフレ再燃への懸念が広がった。
一方で、個人消費支出の伸びは市場予想に届かなかった。同日ミシガン大学が発表した消費者の景況感を示す指数も、下方修正されて、約2年ぶりの低水準となった。
さらに、トランプ氏が進める高関税政策が、先行きの不透明感を強めている。トランプ氏は、4月3日から輸入自動車に25%の関税をかけると発表。ダウ平均は翌26日から3日続落し、1000ドル超の値下がりとなった。
4月2日にも、相手国と同程度の関税をかける「相互関税」を発表すると宣言している。関税の引き上げは物価上昇にもつながり、インフレと景気悪化が同時に起きる可能性も意識され、株価の重しとなっている。