11月に予定される米ニューヨーク(NY)市長選に向け、民主党の候補を決める予備選の集計結果が1日、公表された。「民主社会主義者」を自任するNY州議会議員のゾーラン・マムダニ氏(33)が過半数を獲得し、本選に進むことが確実になった。
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NY市は民主党の牙城(がじょう)で、市長選では公認候補が勝利する公算が大きい。現職のエリック・アダムス市長も2021年に民主党候補として当選したが、その後はトランプ政権との親密な関係などから地元で人気を落とし、予備選には立候補しなかった。今回は無所属で立候補し、マムダニ氏とも争う見通しだ。また、共和党からも候補が立候補する。
前州知事に12ポイント差をつける
民主党予備選は6月24日に投票があり、初期の集計ではマムダニ氏がトップに躍り出ていた。1日に公表された集計結果によると、マムダニ氏は有効票の56%にあたる54万5334票を獲得。前NY州知事で、当初は本命視されていたアンドリュー・クオモ氏は44%にとどまった。
1日の集計を受け、マムダニ氏は「54万5千人を超えるニューヨーカーの支援に感謝したい」と声明を発表した。結果は今月中旬に確定される見通し。
マムダニ氏は、公営スーパーマーケット設置や企業・富裕層への増税など、急進左派的な政策が特色。当初の世論調査ではクオモ氏が優勢とされていたが、終盤でマムダニ氏が猛追していた。予備選での勝利は、地元メディアでは驚きとともに伝えられている。
「優先順位付き投票」で実施
NY市長選の予備選は「優先順位付き投票」が採用されている。有権者は最大で5人の候補に順位をつけて投票。集計では、候補1人の得票が過半数に届くまで、下位候補を切り捨てる形で票が数えられる。