米ニューヨーク・タイムズの本社=ニューヨーク、五十嵐大介撮影

 米ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)が先月末、米IT大手アマゾンと、生成AI(人工知能)の学習向けなどに記事を提供する契約を結んだ。NYTは米オープンAIを著作権侵害で提訴するなど、AI開発企業と距離を置いてきただけに驚きが広がった。米国を代表する報道機関の対応は、生成AIをめぐるIT大手との連携の「モデルケース」になりうる。

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 NYTが先月29日に発表したのは、アマゾンとの複数年にわたるライセンス契約の締結だ。アマゾンはNYTの記事をAIモデルの学習に使えるほか、音声アシスタント「アレクサ」などで記事の要約をリアルタイムに提供できるようになる。

 NYTによると、同社のメレディス・コピット・レビアン最高経営責任者(CEO)は社内あてのメモで「この合意は、高い質のジャーナリズムは対価に値するという、我々の長年の原則に沿うものだ」と述べた。ただ、提携の金額など詳細は明らかにされていない。

 これまでにも、生成AIをめ…

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