映画監督の登竜門として知られる「ぴあフィルムフェスティバル」(PFF)が今年も開かれている。名だたる監督を発掘し、育成してきた映画祭だ。歴史的ヒットを記録している「国宝」を手がけた李相日監督も、PFFに見いだされた一人。「PFFの意義はものすごく大きい」と語る。
1977年から続くPFFには、自主制作の映画を対象としたコンペティション部門「PFFアワード」がある。コンペに入った監督に対して、長編映画の制作を支援する制度も設けている。一昨年のベルリン国際映画祭に選出された清原惟監督の「すべての夜を思いだす」は、この制度を利用して作られた。
「野火」の塚本晋也監督や「舟を編む」の石井裕也監督ら、PFFアワードに参加し、後にプロになった監督は約200人いる。
「国宝」大ヒットには「うれしい。ただ……」
李監督は、日本映画学校(現…