SLやまぐち号と記念撮影する人たち。手前は45周年オリジナルヘッドマーク=2024年8月1日午前10時47分、山口市のJR新山口駅、向井光真撮影

 JRの観光列車「SLやまぐち号」の運行開始から45周年を記念するイベントが1日、新山口駅であった。鉄道ファンや親子連れら約300人(JR西日本発表)が山口線の1番ホームに集まり、写真を撮ったり出発する列車に手を振ったりしていた。

 動力の近代化で、山口線では1973年にSLが姿を消したが、その後、地元から復活を望む声が高まり、当時の国鉄が79年8月1日、全国初のSLの観光列車としてSLやまぐち号の運行を始めた。

 ホームであった「出発式」で、山口線SL運行対策協議会の小野浩誠会長がSLやまぐち号について「昭和、平成、令和を走り続ける間、豪雨災害の影響や車体の不具合などで長期間の運休となった時期もあったが、見事に乗り越えてきた。今や全国屈指の人気を誇る観光列車で、貴重な産業遺産でもある」と紹介した。JR西日本山口保線区の佐藤裕史区長は「手をかけて整備している線路をSLが走り、多くのお客様が乗り、沿線の皆様にも喜んで頂けることを本当にうれしく思う」とあいさつした。

 午前11時前、蒸気機関車D51が牽引(けんいん)するSLやまぐち号は、小野会長らの合図で津和野駅(島根県津和野町)に向けて力強く走り出した。広島市から来た男児(11)は「かっこよかった。ずっと元気に走ってほしい」と喜んでいた。

 SLやまぐち号は今年、土日祝を中心に11月まで運行。8月3~12日は、45周年オリジナルヘッドマークをつけて走る。(向井光真)

共有
Exit mobile version