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アイドルリスク対策講座に参加したアイドルたち=2025年7月18日、東京都千代田区、小松隆次郎撮影
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 トラブルに巻き込まれず、健康なアイドル生活を送ってほしい――。そんな思いが込められた「アイドルリスク対策講座」が7月、東京都内で開かれた。

「アプガ」3グループが参加

 アイドルのセカンドキャリアを支援する会社「ツギステ」(東京都渋谷区)と芸能事務所「YU-Mエンターテインメント」が共催した。

 ツギステ代表で元アイドルの橋本ゆきさんは、講座の狙いを「アイドル活動で心身に不調を抱えると、次の人生の滑り出しに悪い影響を及ぼす。そうした課題を解決したい」と話す。

 講座には、YU-Mエンターテインメントに所属するアップアップガールズ(仮)、アップアップガールズ(2)、アップアップガールズ(プロレス)のメンバーとマネジャーら計23人が参加した。

橋本ゆきさん「投稿前に5秒チェックを」

 講師を務めた橋本さんは、アイドル活動での「失敗あるある」をテーマに講義した。SNSでの不用意な投稿による「炎上」や画像の流出などの実例を挙げ、「言ったら残る、送ったら広がる、ということを心に留めて」と強調した。

 AIを使うことで画像に映った風景から住所が特定されてしまうリスクも指摘。橋本さんは「SNSに投稿する前に、内容を5秒間は必ずチェックして」と呼びかけた。

 精神科医の紫藤佑介さんも講師を務め、SNSで中傷被害を受けた例を紹介しながら、メンタルケアのやり方を解説した。

参加アイドル「気をつけたい」

 講座に参加したアップアップガールズ(プロレス)の渡辺未詩さんは「居場所が特定されないよう、リアルタイムでSNSに投稿しないことは気をつけていたけど、AIによって画像から居場所をわかってしまう危険性は初めて知った」。

 アップアップガールズ(2)の島崎友莉亜さんは「一時的な感情でSNSに投稿しないように気をつけたい。もっと早く知っておけば良かったと思うことが多かった」と話した。

事務所代表「『常識』知らないことマイナスに」

 YU-Mエンターテインメント代表の山田昌治さんは、芸能界にかかわって25年。「SNSやAIなどの技術が急速に進む中で、『常識』を知らないことがマイナスになり、トラブルも起きている。気づけるか気づけないかの意識の差が大きいことを知ってほしい」と語った。

 橋本さんはこうした講座を多くのアイドルに向けて今後も開きたいという。「事務所は、アイドルを商品と考えるのではなく、そのあとの人生も続く『人材』と捉えてケアしてほしい。業界全体で、アイドルやタレントをリスクから守りたい」と話した。

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