元広島カープの安部友裕さん=HAKI pro提供

 選挙で有権者が投票する際、参考にするのがメディアなどにあふれる情報です。ただ、情報は発信者の考え方などによって、見解が全く異なってきます。元広島カープの選手で、現在は野球解説者などを務める安部友裕さんに話を聞きました。

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 現役時代は、選挙を特に意識することはありませんでしたが、引退後に会社を立ち上げ、子ども2人を育てる中で政治に関心を持つようになりました。

 いま気になるのは、部活動の地域移行です。生徒たちの指導を地域に任せた場合、委託するクラブや団体がない地域がでてきたり、私立と公立の学校で対応が異なったりしないでしょうか。

 学校によって差がでないよう、国は様々な企業や団体が受け皿として参入しやすくなるような支援に力を入れてほしいです。

 今回の選挙では、各候補者の訴える内容の実現可能性や、どこまで具体的に設計された政策なのかに注目したいと思いますが、流れている情報をうのみにしないこと。これも意識したいです。

 かつて、けがをして2軍にいた時、好きな本の表紙をインスタグラムにあげたところ、「安部が球団批判している」とSNSで批判されました。

 ちょうど1軍が勝てなかった時で、その本の表紙には「失敗の本質」「破綻(はたん)する組織の特徴」とありました。自分のけがを治すのに必死で、カープがどのような状況にあるのかを知らなかったのです。球団を批判する意図はなかったのですが、SNSではこうしたうわさがひとり歩きしてしまう。

 チームメートだった西川龍馬選手(現オリックス)との「ハイタッチ拒否事件」もありました。周りがベンチ前で西川選手とハイタッチする中、たまたまタイミングが合わず、僕だけハイタッチできませんでした。すると、SNSで「安部はハイタッチを避けた」と騒がれました。

 物事には色んな見方があります。テレビの野球解説で、選手の調子の悪さを指摘する時は、どうしてそう思うのか、根拠を説明するようにしています。その上で「これは安部の意見」とわかるように伝えています。自分が得た情報が全てではないですから。

 選挙でも一つひとつの情報を確かめながら、投票先を選ぼうと思います。

安部友裕さんのプロフィール

 2008~22年、広島カープで内野手としてプレー。引退後に健康サポート事業の会社「HAKI pro」を設立。テレビの野球解説やコメンテーターを務める。

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