ルーマニアの大統領選で、無所属の候補が首位に立ったのは動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」のお陰か――。量産された偽アカウントが特定の候補を応援するなどの「不正」の疑いがあるとして、欧州連合(EU)が調査に乗り出した。
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問題となっているのは、11月24日にあった大統領選の第1回投票。当選する可能性の低い「泡沫(ほうまつ)候補」と見られていた無所属の極右政治家ジョルジェスク氏が、得票率22.94%で首位に立った。3位にとどまったチョラク首相は翌日に辞任を表明。12月8日の第2回投票を前に、憲法裁判所が再集計を命じる事態になっていた。
この結果にルーマニアの通信規制当局も待ったをかけた。詳細は明らかにしなかったが、「選挙運動で違法に配信されたコンテンツに関する不正行為をティックトック側に報告したが、迅速に対応されなかった」との声明を11月26日に発表。これを受けたEUの行政機関の欧州委員会が、偽情報などの対応をプラットフォーム企業に義務づけるデジタルサービス法(DSA)に基づいて、調査を始めた。
削除アカウントにはロシアメディアも
12月3日に欧州議会での公…