「ゴミ箱に分別方法を示すイラストを描いたり、駅の表示を多言語化したり。外国の方に優しい環境を作るべきだと思います」
昨年12月、オンラインで開かれた熊本県北部の菊陽町の「町の未来」発表会。町内の小学6年生が自作のスライドを使って政策提言をした。大人顔負けの発表に吉本孝寿町長がほおを緩める。「いろいろ調べてくれてありがとう。できるところはしっかり形にしていきたい」
多言語化や海外との文化交流、観光名所づくり。国際化を強く意識した発表が目立ったのは、町で起きている変化を子どもたちが感じ取ったことの表れだ。
潤う町財政、「次は市に昇格」
熊本市に隣接するベッドタウンで、急速な国際化が進み始めたのは3年前。町が用意した工業団地に世界最大の半導体製造会社、台湾積体電路製造(TSMC)の進出が決まった。工場の稼働前から、社員や家族が町内外に移住。人口4万の町に住む外国人は2年間で2倍近くに増え、千人を超えた。
先端半導体をつくる二つの工…