株主総会で株主からの質問に答える台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家・最高経営責任者(CEO)=2025年6月3日、新竹県、王思婷撮影

 半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家・最高経営責任者(CEO)は3日、熊本県菊陽町に建設予定の第2工場の着工が当初予定より遅れていることを認め、現地の交通事情の悪化が理由だと説明した。「改善するまでは(着工を)延期すると日本政府に伝えた」とも述べた。

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 同日あった株主総会後に会見を開いた。

 第2工場の着工時期についてTSMCは「2025年3月まで」としていた当初の見通しを「年内」に変更している。遅れの理由について問われた魏氏は「現地の交通に与える我々の影響が大きすぎるからだ。住民がすでに我慢できなくなり始めている」と話した。

 菊陽町では昨年12月、TSMCの第1工場が量産を開始。同社の進出で、周辺地域の渋滞が深刻化している。魏氏は日本政府に交通状況の改善を求め、着工の遅れについて了承を得ているとも説明した。

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