2025年5月30日、ペンシルベニア州にあるUSスチールの工場で演説を終え、ポーズをとるトランプ大統領=AP

 トランプ米大統領は5月30日に米鉄鋼大手USスチールの工場で開いた集会で、日本製鉄による140億ドル(約2兆円)の投資提案を「米国の鉄鋼産業の歴史で例がない」とたたえた。一方で、提案の前提となるUSスチールの完全子会社化をめぐっては日鉄側と最終合意に至っていないことを集会後に明らかにした。不透明感がぬぐえないまま、判断の期限とされる6月5日が迫る。

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 米東部ペンシルベニア州ピッツバーグ近郊の工場。オレンジ色の作業着姿の従業員やその家族らが、トランプ氏への感謝や支持を記した紙などを掲げて集まった。

 現れたトランプ氏が演説で披露したのは、日鉄によってもたらされるという、USスチールにとって「バラ色」の計画だ。

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