米ペンシルベニア州にあるUSスチールのクレアトン工場=2024年12月12日、真海喬生撮影

 日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画をめぐり、米政府機関の審査が大詰めを迎えている。買収への賛否は米政府内でも割れているといい、最終的にはバイデン大統領が職権で買収を阻止するとの報道もある。買収の先行きは予断を許さない。

 今回の買収計画を審査しているのは、米国への直接投資の国家安全保障上のリスクを調べる対米外国投資委員会(CFIUS)だ。米財務長官が議長を務め、関係する省庁のトップらがメンバーになる。

 英紙フィナンシャル・タイムズによると、CFIUS内の議論は割れている。財務省、国務省、国防総省は安保上のリスクを否定し、買収を認める姿勢である一方、米通商代表部(USTR)は買収に反対し、商務省も判断を保留しているという。

 USTRは鉄鋼に高関税をか…

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