Smiley face
写真・図版
米鉄鋼大手USスチールの本社=2024年12月13日、米ペンシルベニア州ピッツバーグ、真海喬生撮影
  • 写真・図版

 日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画について、バイデン米大統領が禁止すると発表した。なぜここまでこじれてしまったのか。日鉄は何を見誤ったのか。労働組合、大統領選、対米外国投資委員会(CFIUS)という三つのキーワードで経緯を読み解く。

  • 日本製鉄によるUSスチール買収計画を認めず バイデン大統領が発表

 日鉄がUSスチールを約141億ドル(約2兆円)で買収する方針を表明したのは、2023年12月18日だった。経営再建中のUSスチールは同年夏、自力での再建をあきらめ、身売りを表明。米同業との争奪戦の末、日鉄による買収で両社が合意に達した。

 いまや中国が世界粗鋼生産量の半分を占める。世界シェア4位の日鉄は、先進国最大の消費地・米国への本格参入を成長戦略の柱に据えた。USスチール買収はその重要な足がかりとなるはずだった。

日鉄と組合、埋まらなかった溝

 買収計画に立ちはだかったの…

共有