車上荒らしに遭い、粉々に壊されたドアガラス=被害者提供

 止めてあった自動車の中から金品などが盗まれる「車上荒らし」。茨城県内ではこのところ、年間900件前後が確認されている。有罪判決が確定しても被害弁償がされないケースもある。身近な犯罪の実態を、県内で起きたある事件の公判に見た。

 「計画的で悪質。常習的犯行の一環だ」

 車上荒らしをしたとして窃盗罪で起訴された男(27)に対し、水戸地裁土浦支部は2月13日、懲役1年6カ月執行猶予3年(求刑懲役1年6カ月)の有罪判決を言い渡した。

借金抱え無職、生活に窮し…

 判決によると、2024年10月2日未明、茨城県つくば市内の駐車場で、車の中から現金約1万7千円や運転免許証など5点が入った財布を窃取。同月4日夜から翌5日未明の間にも、同市内で停止中の車から財布(約5千円相当)を盗んだ。

 男子バレーボール・Vリーグ2部(V2)のチームに所属していた元選手。事件の半年前にチームを退団していた。判決は元選手が借金を抱えて無職となる中で生活費などに窮し、夜中に車上荒らしをするようになったと指摘した。

 手口についても、本来は車に…

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