次の世界的な感染症の流行(パンデミック)に備えて議論してきた「パンデミック条約」について、世界保健機関(WHO、本部スイス・ジュネーブ)は1日の年次総会で、最長1年の議論の延長を決めた。今総会での採択を目指し、2年以上かけて加盟国が交渉を重ねてきたが、先進国と途上国の対立が収束しなかった。
次のパンデミック、「もし」ではなく「いつ」の問題
1日の総会では、同条約の交渉を遅くとも来年5月の年次総会まで、可能であれば年内に開催する特別総会までにとりまとめると決定した。テドロス事務局長は「各国がいかに強く、緊急にそれを望んでいるかを示している。なぜなら、次のパンデミックは『もし』ではなく『いつ』の問題だからだ」とコメントした。
同条約は2021年3月に25カ国共同で提唱された。22年2月から始まった政府間交渉会議は今年5月までに9回開かれたが、合意に至らなかった。
最大の論点は、ワクチンや薬といった命と健康を守る手段を、世界規模でどう公平に分かち合うかという点だった。
条約の草案では、「病原体ア…