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エラー表示が出たパソコン=東京都中央区

 米マイクロソフトのウィンドウズを搭載したパソコンが、19日午後1時半ごろから世界規模で異常停止する事態が起きた。米国のセキュリティー企業のソフトが何らかの不具合を起こしたことが原因とみられる。飛行機が離陸できなくなるなど、社会インフラにも影響が出た。

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 米セキュリティー企業「クラウドストライク」日本法人によると、同社のセキュリティー対策ソフトを導入したパソコンに障害が発生したという。同社のジョージ・カーツ最高経営責任者(CEO)は現地時間19日早朝にX(旧ツイッター)の投稿で、「セキュリティーの問題やサイバー攻撃ではない」と説明。既に問題点を特定し、修正プログラムを展開したとした。

 同社は、パソコンの動作を逐一監視し、サイバー攻撃の兆候を検知する「EDR」と呼ばれるソフトの大手。この監視プログラムの設定をクラウドストライク側が変更したことで、パソコンに支障が生じる何らかの事象が発生したとみられる。同社の顧客向け案内にも「変更を元に戻した」と書かれていた。

 パソコンの最深部で動くセキュリティーソフトの不具合は、コンピューターを道連れに異常停止させるリスクをはらんでいる。同社のソフトは世界の政府機関や大手企業が導入しており、ひとたび障害が起きると一気に広がり、社会インフラにまで影響を与える恐れがある。

 米国では現地時間19日未明、同国の主要航空会社が運航する全便が離陸できない状態に。欧州やアジア各国など世界各地で、航空便や鉄道の運行に支障が出たり、民放のテレビ放送ができなくなったりと、経済活動に幅広い影響が出た。(編集委員・須藤龍也、伊藤弘毅)

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