世界貿易機関(WTO)は15日、海洋での違法な漁業などへの補助金を禁止する協定が発効したと発表した。発効に必要な加盟国の承認手続きを終えたためで、交渉開始から20年以上を経てようやくスタートする。WTOは「WTOで初めての環境の持続可能性を中核にした多国間協定」だとして、海洋生態系の保護や食料安全保障の強化につながると強調している。
協定は、違法漁業のほか、乱獲状態にある水産資源の漁業に対する政府の補助金の禁止などを定める。WTOは水産資源の枯渇につながる「有害」な補助金が世界で年間220億ドル(約3.2兆円)に上るとしており、協定でこうした補助金の削減をめざす。WTOの委員会が加盟国の履行状況を監視する。
ただ、乱獲状態の水産資源の漁業への補助金については、生物学的に持続可能な水準に回復させるための措置などが取られる場合、認められる例外規定も設けている。
漁業補助金ルールに関する交…