サッカークラブの「チェントクオーレハリマ(CCH)」。国内トップのJリーグ1部(J1)から数えて5番目のカテゴリーにあたる関西リーグ1部のチームだ。その運営権を、兵庫県加古川市の防犯・園芸用品メーカー「ムサシ」が取得した。一見、接点がなさそうな会社がどうしてなのか。
今季リーグ開幕戦が4月12日、CCHのホーム、加古川市の日岡山公園グラウンドであった。
グラウンド東側にはカレーやケバブなど飲食、そして雑貨を販売する「朝市」と銘打った露店が立ち並んだ。フェンス越し、そしてピッチサイドにも長椅子が並べられ観客が見守った。観客数1千人は同日開催されたリーグ戦4試合では最多だった。ムサシがチーム運営権を取得して初の試合は2―0でFC.AWJに勝利し、幸先いいスタートを切った。
ムサシがCCHのスポンサーになったのは2022年から。ムサシの岡本篤社長(50)によると、知り合いに頼まれたというのもあったが、「前身のクラブが内部の問題でうまくいかなくなっても、現場は一生懸命やっていた」。
同社が日岡山公園などで週末に取り組む「朝市」を試合会場で開くなど協力関係を強めると、観戦者も増えていった。23年からはメインスポンサーになりユニホームの胸部分に社名を入れた。
「社会変革の有力な手段になる」
今季からチーム運営権を取得…