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2022年の新居浜太鼓祭り=2022年10月16日、愛媛県新居浜市、長田豊撮影
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 勇壮華麗さで四国三大祭りのひとつにも数えられる「新居浜太鼓祭り」が10月15~18日、愛媛県新居浜市内で開かれるのを前に、不協和音が生じている。きっかけは、市内に拠点をおく住友系列4社が「工場前」を太鼓台が素通りするよう求めたこと。何があったのか。

 市によると、新居浜太鼓祭りは平安、鎌倉時代にさかのぼるとの説があり、太鼓台は江戸時代の文献に登場する。

 現在の太鼓台は、金色の刺繡(ししゅう)を施した幕で飾りつけられるなど豪華絢爛(けんらん)で、重さは約3トン。1台あたり約150人の担ぎ手が必要で、市内8地区が五十数台を運行する。市内各所で男衆(かき夫)が太鼓台を高く担ぎ上げる「かきくらべ」は祭りの目玉とされている。

 「工場前」と呼ばれる、同市惣開町の住友化学愛媛工場と住友重機械工業愛媛製造所(新居浜工場)の前も、かきくらべの会場のひとつ。60年以上の歴史があり、市はホームページに地図を載せるなど観光客らに案内してきた。

 ところが、市などによると、住友化学と住友重機械工業、住友金属鉱山、住友共同電力の住友系列4社が7月末、工場前をかきくらべで使わないこと、もしくは、太鼓台の素通りを求める要望書を市と愛媛県警新居浜署に提出した。住友側は、かきくらべで毎年のように担ぎ手同士のけんかや禁止行為が起きていることから「けんかの場所を貸しているとの誤解を与えかねない」としている。

「平和運行」申し合わせているが

 新居浜署は、昨年の祭り期間…

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