これは、とある事業承継の物語である。
大阪市のオフィスビルの中に大人気のペン字・書道教室があった。だが、経営する書道家が、巡り合わせの悪さもあって忙しくなりすぎた。心が崩壊寸前に追い込まれ、教室を閉めるしかなかった。
そして、ひとりの生徒が立ち上がることになるのである。
その書道家は、三都華子(みとかこ)さんという。徳島出身の32歳。
子どものころからペン字、書道に親しんだ。小中と教室に通うが、高校で通うのが面倒くさくなって小休止。化学が好きだったので大学の薬学部に行くが、やりたいことではないと感じて1年で中退。役場の臨時職員をしていたとき、教室を開く夢が芽生えた。
知り合いの教室の先生に相談すると、言われた。
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「どんなに下手でも、そこに…