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日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院(八事日赤)=2024年6月17日午後0時50分、名古屋市昭和区、嶋田圭一郎撮影
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 パソコンではなく、患者の顔を見て――。日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院(名古屋市)で昨年6月、男子高校生(当時16)が誤診で死亡した。病院は17日の記者会見で、家族から医療現場へあてたメッセージを、読み上げた。

  • 研修医が急性胃腸炎と誤診、16歳の高校生死亡 名古屋の第二日赤

 生徒は昨年5月28日、急な腹痛や嘔吐(おうと)などで、病院の救急外来を半日の間に2度、受診。病院によると、十二指腸が狭まって胃が拡張し、脱水症状があった。だが、研修医2人は一般的な急性胃腸炎と誤診し、整腸剤などを処方して帰宅させた。帰宅後に2度の電話相談があったが、「経過観察」とした。

 病院から言われて生徒が受診したクリニックは「緊急対応が必要だ」と病院への紹介状を書いたが、病院側は翌29日も検査に時間を費やし、緊急でやるべき胃の拡張を改善させる治療をしなかった。男子生徒は同日夕の入院後、脱水が悪化。意識障害も起き、ショックに陥って死亡した。

 「何度も助けられる機会はあったのに見過ごされてしまいました」

 家族は、悲痛な思いをつづった。

 「目の前で苦しんでいる人の声をもっとしっかり聞いてください。パソコンばかり見るのではなく、目の前の患者の苦しそうな、つらそうな顔をしっかり見てください」

 「まだ16歳の男の子の人生を突然終わらせてしまったこと、夢見ていた未来を奪ってしまったこと、決して忘れないでください」

 メッセージは医療現場全体に…

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