「ルフィ」「キム」などと名乗る男らがフィリピンから指示したとされる広域強盗事件に関わり、強盗致死罪などに問われた永田陸人被告(23)に対し、東京地裁立川支部は7日、求刑通り無期懲役とする判決を言い渡した。菅原暁裁判長は「実行役のリーダー格を務めた責任は際立って重い」と述べた。
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判決によると、永田被告は2023年1月、指示役や他の実行犯と共謀し、東京都狛江市の住宅に侵入。女性(当時90)に暴行を加えて死なせたうえ、高級腕時計など4点(計約59万円相当)を奪った。ほかにも22年11月から23年1月にかけ、東京都中野区や広島市など1都3県で計5件の強盗や空き巣に関わった。
判決は一連の事件について、指示役がSNSを通じて実行役を募って役割を分担させ、秘匿性の高いメッセージアプリを使った連続強盗であり、「計画的で悪質だ」と指摘した。
そのうえで、狛江市の事件では現金のありかを聞き出そうとした被告らが住人の女性をバールで何度も殴り、女性が20カ所以上を骨折していた点を挙げ「拷問ともいうべき執拗(しつよう)で極めて残忍なものだ」と非難した。被告が事件を悔いているとしつつも、実行役のリーダー格を務めた責任は重く「有期刑を選択すべきではない」と結論づけた。(岡田昇)