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追加の発掘調査が行われる複合公共施設の建設予定地=2024年8月26日午前9時45分、北九州市門司区

 【福岡】北九州市は26日、門司区の複合公共施設建設予定地で、追加の発掘調査を始めた。現地では明治期の「初代門司駅」の関連遺構が見つかっている。市は今回の調査と記録の保存後、遺構を取り壊し、施設の建設を始める方針。

 市文化企画課によると、追加調査の範囲は、昨年発掘した約900平方メートルに隣接する約770平方メートル。作業員ら三十数人で、2~3カ月かけて行う。楠本祐子課長は「精緻(せいち)に記録が残るよう努めたい」と話した。

 複合公共施設は、老朽化して点在する区役所や図書館、市民会館などをJR門司港駅近くの現地に集約して建て替える計画。ただ、1891年開業の九州鉄道門司駅の駅舎外郭とみられる石垣や機関車庫の基礎などが見つかったことから、遺構の保存を求める声が上がっている。世界遺産登録を審査するユネスコの諮問機関イコモス(本部・パリ)のテレサ・パトリシオ会長は6月、施設整備の見直しと遺構の包括的な保存を求める声明を出した。(小島達也)

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